CryptoNoteに対するサイズ効率化

Published in SCIS, 2017

Recommended citation: 原 啓祐, Mario Larangeira、圭介田中. (2017). " CryptoNoteに対するサイズ効率化." SCIS 2017. https://www.iwsec.org/scis/2017/program.html

CryptoNoteは, 暗号通貨の取引におけるユーザーの匿名性を考慮したプロトコルである. 従来のBitcoinでは, 送金者は取引の発行に用いた署名鍵によって一意に特定されるため, 匿名性は保持されない.一方, CryptoNoteではリング署名を採用することにより, 送るユーザーに匿名性を与えている.ところが, 匿名性を与えることにより発生する問題もある.すなわち, 暗号通貨においてユーザーに過度な匿名性を与えることは, 取引上の二重支払いの発生につながる可能性がある.そこでCryptoNoteでは二重支払いを防ぐために, ユーザーの匿名性を弱めた追跡可能リング署名を採用している. しかし, 採用されている署名方式は署名サイズがグループ内のメンバー数に比例するため署名サイズが大きくなるとともに, 現実での安全性は保証されないモデルで構成されている. そこで本論文では, 異なるリング署名をCryptoNoteに適用することにより, 署名が準線形サイズに効率化されたランダムオラクルを用いない新しいプロトコルを提案する.

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